セッティングの重要さ
エンジンをチューンしてもセッティングが合っていないと意味がないどころか時によっては致命的な故障の原因になります
キャブレターが混合気を発生させエンジン内に送り込みます(正確には吸い込まれます)
その混合気を適正な割合にするのがセッティングという作業です
質量 空気対ガソリンの割合が14.7:1の時 排出される公害物質が最も少なくなります(理論空燃比と言います)
しかし実際パワーを使う領域では割合を12:1まで空気の質量を減らします(ガソリンの質量を増やします)
上記をパワー空燃比とか出力空燃比とか言います
プラグが黒いから濃いというのは間違いで問題はどこが濃いかということです
例えばですが上の写真のKSR110の場合プラグはいつ見ても真っ黒
音も鈍く明らかに濃い状態です
実際に空燃比を量るとどうでしょうか
アイドリング付近
11.1:1の状態ですので空気の質量が小さい(ガソリンの質量が大きい)ですね
アクセルを回していくとどうでしょうか
出力空燃比どころか理論空燃比よりも薄い状態です
これらのデータを目安に低回転時を薄く、高回転時を濃くしていきます
これを低回転時のみ薄くしたところで濃い状態はなくなりますが高回転時の薄さは全く対処されていないことになります
それどころかこういう状態ではいきなり高回転時を薄くしていく方もいます
冷却を気化熱に頼る空冷式などは過熱(オーバーヒート)してしまいます
個体差やパーツの状態によってもセッティングは変化します
カスタムしても楽しく安全に乗っていただけるように私も日々勉強し続けているのです
しかし時代はインジェクションへ移ろうとしています
電子制御ですので環境にも良く、言うことはありません
最後のキャブレター時代を楽しみながらこの流れを見守りたいと思います