SR500 エンジンOH
エンジンのOHは頻繁に行う作業の一つではありますが、未だに飽きることもなく毎回楽しく作業しています。
同じエンジンを分解して組み立て続けるからこそ比較することができます。
生産台数が多く、中古車が多いSRならではの問題も多く、様々な部品が混ぜられたエンジンいわゆる【ちゃんぽんエンジン】がみられるのも特徴の一つです。
知っていて混ぜることは問題ありませんが知らずして混ぜることは時に毒を混ぜることになります。
怖いのは混ぜたからといってすぐに壊れるわけではないということです。
少しずつ毒が回り数年経ってから壊れたり、何万キロか走行して壊れる場合もあります。
原因が分からぬままOHしそれを繰り返すことも多いのです。
このお預かりしたエンジンはクランクケースが1983年モデルでミッションなども同年式で間違いありません。
ところがクランクケースカバーやジェネレーターは1978年モデルの物が使用されています。
シリンダーも1978年モデル。ところがヘッドやヘッドカバーはまた違う年式の物が使用されておりました。
今回は毒も混ざっていましたのでそれを取り除き、毒のないちゃんぽんを組み立てます。
クランクシャフトはシャフトの変形を直して芯出しします。
強化オイルポンプよりも大切なのは圧力を逃がさないこと。
フィード側のポンプの容量を増やしたところでドライサンプエンジンで重要なスカベンジ側のポンプから圧力が漏れていれば致命的なダメージになります。
この車両はフィード側のポンプとケースに傷がありましたので交換しました。
ガスケットやオイルシールは全て交換します。
バルブも曲がっていました。
ヨシムラワイセコで522cc。
セラコートでシリンダーのみブラックにしました。
こんな感じで組み上がりました。
これで安心して乗ることができます。
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