シャリー フルレストア 【その7】
シャリー フルレストア 【その6】はこちら。
今回で最後です。
写真だけ。
シャリーのレストアはこれで終わりです。
記事にまとめると簡単ですが少しずつ作業しましたので時間がかかりました。
今回もまた作業することによって色々とスキルアップすることができました。
さてここからは走行編、レストアしてもしっかり走らなければ意味がありません。
エンジンもOHして、しっかりと走るんじゃないの?と思われそうですがそうではありません。
その理由は、キャブレターとマフラーがノーマルであるということです。
88ccハイコンプ、ハイカム、5速ミッションにしてノーマルキャブレターやノーマルマフラーを使用することはほぼないと思います。
性能を考えると当然交換なのですがキャブレターを交換するとシャリーの場合ボディから飛び出すんです・・・。
シャリーはスペースの関係上とても珍しい形のキャブレターが付いています。
ジェットニードルなどは付いていません。
ボアアップすることにより通常はメインジェットを大きくすることを考えますが全てに当てはまるわけではありません。
口径の小さいノーマルキャブレターの場合、圧縮が上がることにより吸入負圧が大きくなり同じメインジェットでもガソリンを吸い上げる量が増えます。
つまりボアアップしたのにメインジェットを小さくする必要があります。
問題なのは大きいメインジェットはいくらでもありますがノーマルより小さいメインジェットはほとんどないということです。
販売されている一番小さいメインジェットを取り付けてもまだ少し濃い状態です。
更にメインジェットより難しいのがスロージェット。
アイドリング時の方が負圧が大きいのでスロージェットもかなり薄くしたいのですがシャリーの初期型のキャブレターはスロージェットを交換することができません。
あおり続けないととまってしまうエンジン・・・、そして遠心クラッチなのでとまりそうになった時にあおると進もうとします。そして進まないようにブレーキ。
こんなロデオ状態のシャリーが苦痛すぎて、キャブレター飛び出し計画を考えるようになりました。
キャブレターのセッティングは色々試した結果、これ以上どうすることもできないので少しでも薄くする方法を考えます。
まずマニホールドの内径の加工。
結果が重要なので一つずつ加工しては試走を繰り返します。
少しマシになりましたが・・・。
ファンネルの製作。
ジュラコンから削り出しで。
劇的な変化がありません。
次はマフラーの加工です。
あまりにも抜けが悪いノーマルマフラーですので加工することにしました。
刷毛塗りをブラストで剥がしてセラコートします。
もう一つサイレンサーを製作。
しっかりグラスウールも入ったサブサイレンサーです。
結果これが最も効果があり、ほぼセッティングを出すことができました。
キャブレターに合わせて吸排気を変えていくという難しい作業でしたが何とか完成してホッとしました。
最後にいつでも簡単にキャブレターを触れるようにボルトの製作。
カバーが簡単に外せます。
もう一つ。
スピードが出ないのはノーマルのキャブレターやマフラーを使用している時点で分かっていますが、遅いのに5速もあるので今何速か全くわかりません。
シフトインジケーターを目立たないように取り付けました。
とても快適です。
これでシャリーのレストアを終わりたいと思います。
【続編】
しばらく快適に乗っていましたがアイドリング付近で不調が目立つようになります。
そこでスロージェットを交換してセッティングを出したいところですが・・・このキャブにはスロージェットもジェットニードルもありません。
そうなれば空気の量を調整してセッティングを出したいところですがパイロットスクリューはあれどエアスクリューやエアジェットはなし。
パイロットスクリューを絞り込んでもかなり濃い状態ですので、エアポートを加工、製作しエアスクリューをつくりました。
アイドリングスクリュー、パイロットスクリュー、エアースクリューがこの狭い空間に並んでいます。
矢印の箇所が製作したエアスクリューです。
結果は・・・とても調子よくなりました。
さて次の問題はガソリン容量の少なさです。
2.8Lしか入りませんのでいくら燃費がいいといっても少なすぎます。
というわけでサブタンクを製作します。
条件は簡単に外せること。
純正のコックを使用したいので取り付けができるようにA5052材を加工します。
次はキャップです。
これも純正を使用したいのでフライスで合うように受けを製作します。
こんな感じでできました。
5Lも入ります。
走行距離も伸び調子も良くなったので快適なのですがこのサブタンクが不評で・・・。
見た目のインパクトがありすぎるせいでしょうか。
ちょっと考えないといけません。