SR500 納車整備
今回はブログではあまり紹介することのない納車整備を紹介したいと思います。
納車整備とは車両が売れてから行う整備のことです。
車両ごとに整備の内容は変わります。
車両の購入にあたって車両選びはもちろん大切ですが、この納車整備というものが非常に大切だと考えています。
また2年後に車検整備でお預かりするまでできるだけトラブルが起きないように、楽しく乗って頂けるように整備をしたいと思います。
いきなりエンジンがありませんがこれは納車整備とは関係がありません。
納車整備時にエンジンのOHをした為、このような状態からスタートします。
タイヤを交換しました。
納車整備時にタイヤを交換する。本来なら大きく取り上げるところでしょうけど、そこがポイントではありません。
まず硬化したリムバンドの交換。
リムバンドの下は腐食しています。
錆を落として新しいリムバンドを取り付けます。
ブレーキの清掃とホイールベアリングの交換。
なかなか汚いでしょう。
これは外からはわかりません。
全て分解した後、清掃します。
必要に応じて、研磨やウエットブラストなどをして組み立てます。
グリスはウレアを使用します。
ベアリングの動きが悪かったので新品に交換しました。
フロントも同じように整備します。
ステムの整備をします。
アンギュラに交換出来たら100点ですが・・・。
ピボットシャフトの整備はSRではお決まりの作業です。
必ず抜きます。
グリスの通路を清掃し、摩耗のひどいものは交換します。
この車両のシャフトは綺麗でしたが少し錆がありましたのでバフで研磨します。
ピボットシャフトは毎回必ず規定トルクで締めています。
規定トルクで締めないとベアリングが損傷したり、シャフトが折れます。
ナットはカシメが弱っていたり、かじりがあるようなら交換します。
純正以外はあり得ませんので要注意です。
これもグリスはウレアを使用します。
リアの整備はこれでおしまいです。
キャブの整備もお決まりの内容です。
フロートバルブやガスケット、この車両はチョークバルブも交換しました。
新しいフューエルホースとフィルターを取り付けます。
ケーブルも交換しました。
ただそれだけです。
古い年式のSRはキャップのメンテナンスも非常に大切です。
しっかりと清掃し、新品のラバーに交換します。
忘れることもあるのですが最後にSRならではの整備を一つ。
古い車両はヘルメットホルダーが付いていないことがあります。
これの原因としてボルトが振動で緩み、地球のどこかに落とすというパターンがあります。
トルクスのボルトです。定期的に増し締めしましょう。
今のSRはネジロックが付いていますが昔のSRは簡単に緩みます。
一度外しネジロックを塗布して取り付けます。
紹介したSRは1992年製造のSR500でした。
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