SR400 SR500のフレームの話
今回はSR400とSR500のフレームの話です。
当店でレストアの作業などでフレームを塗り替える時は必ずパウダーコートをします。
耐久性の向上が最も大きな理由ですが他に同じくらい大きな理由があります。
それはフレームからのオイル漏れに関係します。
エンジンオイルがフレームの中を循環するSRにとってフレームは単なる骨組みというモノではありません。
事故や転倒などでフレームにクラックが入りエンジンオイルが漏れてくる場合があります。
例えばこれです。
これはメイン部分に大きな衝撃が加わり曲がったものを修正し補強されたものです。
私がこのSRに跨った時に違和感があり急いでタンクを外すとこのような状態でした。
エンジンオイルが漏れるのは必ずこの部分になります。
塗装が剥がれていることから分かるように溶接されて直されています。
このフレームは初期型の希少なものでしたが世に出回らないようにバラバラに切って処分しました。
ところが事故や転倒をしていなくてもフレームにクラックが入りエンジンオイルが漏れてくる場合があるのです。
理由は元々の溶接によるものです。
巣穴から少し滲んでいるのがわかると思います。
これは新車の時からこの状態であるため気を付けようがありません。
悪い言い方をするとハズレが存在します。
フレームをパウダーコートするときは必ずブラスト処理をします。
このブラストされた状態は梨地の状態で少しでも油分が付着すると色が変わります。
フレームの溶接部分から油分が少しでも滲むとすぐにわかります。
このフレームもわかりにくいですが少し漏れが確認できます。
溶接ビードが空洞になっており直しにくいのですが見つけた場合は必ず直します。
下の写真で大きな巣穴が確認できると思いますが埋めにくいです。
2021年にパウダーコートしたフレームで漏れていたのは2台でした。
フレームをパウダーコートする時は全ての車両でこのようなことをチェックします。
ただ綺麗になる、それだけではない大きな理由がパウダーコートにはあるのです。
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