SR400 エンジンOHとスープアップ

今回はドラム型SR400のエンジンのOHとスープアップの作業を紹介したいと思います。

年数も経過しており腐食もありますので外観も綺麗にしたいと思います。

 

 

フレームから下ろしたエンジンです。

27年前のエンジンです。

 

 

 

分解します。

スタッドボルトももちろん交換しますが外せない時がよくあります。

力任せに外そうとするとシリンダーが最悪割れることがあります。

シリンダーを温め、ボルトピッチを広げてハンマーで一叩き。(一回だけ)

ボルトのピッチ部は見えませんが動いたことをイメージして潤滑油を入れて取り外します。

ほとんどのスタッドボルトはこれできれいに外すことができます。

写真手前右のスタッドボルトがその方法で外してあります。

 

 

 

シリンダーはスリーブを取り外し清掃します。

 

 

 

ウエットブラストで仕上げるパーツとガンコートで仕上げるパーツをそれぞれ違うメディアで処理します。

 

 

 

クランクケースはガンコート仕上げです。

ブラスト処理よりもガンコートよりも気を遣うのが残留メディアです。

様々な方法を試して現在に至ります。

 

 

OHと同時にスープアップも行います。

522ccになります。

 

 

 

シムはこのようにリング状になっていました。

深く手を切ってしまいました。

 

 

ミッションの年式適合や焼き付き、摩耗などを確認して組み付けます。

 

 

 

オイルポンプのオイルシールを交換します。

 

 

 

ケースカバーは電解クロムメッキです。

ピカピカが好きだけど磨くのが苦手な方、面倒な方、お勧めです。

 

 

 

メッキの厚みでノックピン穴の寸法が少し変わっていますので段付きノックピンを製作します。

 

 

 

ピストンはヨシムラの鍛造ピストンです。

 

 

ボーリングと面研加工をしたシリンダーです。

外観はウエットブラスト仕上げです。

 

 

錆びたスタッドボルトも綺麗になりました。

 

 

 

シリンダーヘッドはガンコート仕上げです。

 

 

ヨシムラのST1ハイカムを取り付けます。

 

 

ヘッドカバーはウエットブラスト仕上げです。

 

 

 

できあがりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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SR500 エンジンのOHとボアアップ 其の1

今回の作業紹介はSR500のエンジンのOHです。

From Miyagi-ken

 

既に分解したところから失礼します・・・。

 

 

カムシャフトとロッカーアームは焼けています。

 

 

 

ヘッドが焼けるのは主にオイル不足が原因です。

オイルが入っていても焼けることがあり、その場合はオイルの循環に問題がある場合があります。

エンジンの内部でオイル漏れを起こし適正な圧力がかからずトラブルになります。

見た目では全く分からないのでOHの際は注意して作業します。

 

 

オイルポンプのオイルシールは2枚あります。

ドライバーなどでこじるとアルミのボディに傷が入りますのでプーラーで引き抜きます。

 

 

取り付けは専用に製作した工具を使用してプレスで圧入します。

適当に交換すると意味がないどころかトラブルになります。

 

 

オイルポンプ内側のカバーボルトは外すのに苦労する場合が多いですが、ガスケットを交換するために外して面出しと、ボルト穴の清掃をします。

 

 

 

ケースを清掃して新しいベアリングを圧入します。

 

 

 

腰下が組み上がりました。

ケースカバーのオイルシールにも注意しないとフレームのオイルがエンジンに落ちてしまいます。

その場合始動時にスカベンジングポンプがフレームにオイルを戻すまでフィードポンプがヘッドに圧送できませんのでダメージが残ります。

大切なのはオイルラインを増やすようなことではなく、適切な圧力のオイルラインを保つことにあるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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SR500 エンジンOH

エンジンのOHは頻繁に行う作業の一つではありますが、未だに飽きることもなく毎回楽しく作業しています。

同じエンジンを分解して組み立て続けるからこそ比較することができます。

 

生産台数が多く、中古車が多いSRならではの問題も多く、様々な部品が混ぜられたエンジンいわゆる【ちゃんぽんエンジン】がみられるのも特徴の一つです。

 

知っていて混ぜることは問題ありませんが知らずして混ぜることは時に毒を混ぜることになります。

怖いのは混ぜたからといってすぐに壊れるわけではないということです。

少しずつ毒が回り数年経ってから壊れたり、何万キロか走行して壊れる場合もあります。

原因が分からぬままOHしそれを繰り返すことも多いのです。

 

 

このお預かりしたエンジンはクランクケースが1983年モデルでミッションなども同年式で間違いありません。

 

 

ところがクランクケースカバーやジェネレーターは1978年モデルの物が使用されています。

 

 

 

シリンダーも1978年モデル。ところがヘッドやヘッドカバーはまた違う年式の物が使用されておりました。

今回は毒も混ざっていましたのでそれを取り除き、毒のないちゃんぽんを組み立てます。

 

 

 

クランクシャフトはシャフトの変形を直して芯出しします。

 

 

 

 

強化オイルポンプよりも大切なのは圧力を逃がさないこと。

フィード側のポンプの容量を増やしたところでドライサンプエンジンで重要なスカベンジ側のポンプから圧力が漏れていれば致命的なダメージになります。

 

 

この車両はフィード側のポンプとケースに傷がありましたので交換しました。

ガスケットやオイルシールは全て交換します。

 

 

バルブも曲がっていました。

 

 

 

 

 

 

 

ヨシムラワイセコで522cc。

 

 

 

セラコートでシリンダーのみブラックにしました。

 

 

 

こんな感じで組み上がりました。

これで安心して乗ることができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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