前回の続きです。
SR400 エンジンOH 前編
新品のクラッチを取り付けます。
オイルポンプのシールなども全て交換し腰上の組立てに入ります。
使用するピストンは純正の400ピストン。
このエンジンのシリンダースリーブは歪みがありそのままでは使用できません。
オーバーサイズのピストンであればボーリングできるため使用できるのですが、純正サイズの場合はスリーブの交換が必要になります。
ターカロイ鋳鉄でスリーブを製作、純正ピストンに合ったクリアランスでボーリングします。
面研の目的は圧縮を上げるなどのチューンではなく、最小限の研磨であくまでも面を整えるもの。
ケースのスタッドボルトは問題がない場合は交換しません。
ところがこのスタッドボルトは写真でもわかるくらい曲がっており全て交換することになりました。
ここまで曲がっていると理由がわかりません。
組まれた状態の時から曲がっていたのか、分解されてから曲がったのか何もわかりません。
滅多にないことですが疑問を残したまま組み立てることになりました。
シリンダースタッドは全て新品に交換。
純正仕上げの場合、シリンダーは塗装せずウエットブラストの仕上げになりますが今回はガンコートで仕上げました。
シリンダーヘッドもシートカットや研磨を行い組み立てます。
傷のあったカムシャフト、ロッカーアームは新品に交換。
これも純正を使用し耐久性に最も重点を置いて組み立てます。
シリンダーヘッド、シリンダーヘッドカバーもガンコート仕上げです。
タペット調整をし最後にタペットカバーを取り付け作業は終わりです。
と言いたいところですが最後にクランクケースカバーを磨いてから取り付けます。
パウダーコートのクリアで仕上げますので残った研磨剤を念入りに洗浄します。
最初に油で研磨剤を溶かすように洗浄し、その油を洗剤で洗浄します。
カバーを取り付けてこれで本当に終わりです。
30年以上前のエンジンとは思えないくらい中も外も綺麗になりました。
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