シャリーのフルレストア【その1】

いつもはSR400、SR500ばかりですが今回はシャリーのレストア作業を紹介したいと思います。

1回の記事ではまとまらないのでしばらくシャリーネタになりますが悪しからず。

 

 

 

車両の紹介をしたいと思います。

1978年CF50K2-3という初期型モデルのホンダのシャリーになります。

初期型のシャリーの正式名称はシャリイホンダです。

ホンダのシャリイホンダ?

発売された頃を知っているお客さんはシャリイホンダや懐かしい、と言っていましたので間違いないようです。

 

年式の割に綺麗な状態に見えるかもしれません。

ところがよく見ると塗装面は錆の上から刷毛で塗り重ねてあるような状態です。

 

 

 

タンクは後で紹介しますが内側が錆びています。

 

 

 

欠品があるとレストアするのに非常に手間がかかりますのでボロボロでもいいから部品ができるだけ揃っているものを選びました。

後、エンジンが分解されていないというのも重要なポイントです。

理由は下手に組まれると直せない場合や直すのに時間がかかる場合が多いからです。

 

 

 

分解します。

配線はそのまま使用できそうです。

これにも理由があって1970年代のホンダ車はハンドルの内側やフレームの内側に配線が通してあり劣化がないものが多いのです。

現在SRなどのカスタム車でハンドルの内側に配線を通したりできるだけスッキリさせるために色々と苦労していますが、1970年代に量産車でこれを行っていたわけです。

シャリーはこの後1979年にモデルチェンジ(丸灯のプラフェンダーのモデル)しますが、その時はもう配線やケーブルは外に取りまわすようになります。

手間を考えると当たり前のことです。

 

 

 

分解されていないであろうエンジンを下ろしました。

 

 

その他も全てバラバラにしていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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SR500 エンジンOH

エンジンのOHは頻繁に行う作業の一つではありますが、未だに飽きることもなく毎回楽しく作業しています。

同じエンジンを分解して組み立て続けるからこそ比較することができます。

 

生産台数が多く、中古車が多いSRならではの問題も多く、様々な部品が混ぜられたエンジンいわゆる【ちゃんぽんエンジン】がみられるのも特徴の一つです。

 

知っていて混ぜることは問題ありませんが知らずして混ぜることは時に毒を混ぜることになります。

怖いのは混ぜたからといってすぐに壊れるわけではないということです。

少しずつ毒が回り数年経ってから壊れたり、何万キロか走行して壊れる場合もあります。

原因が分からぬままOHしそれを繰り返すことも多いのです。

 

 

このお預かりしたエンジンはクランクケースが1983年モデルでミッションなども同年式で間違いありません。

 

 

ところがクランクケースカバーやジェネレーターは1978年モデルの物が使用されています。

 

 

 

シリンダーも1978年モデル。ところがヘッドやヘッドカバーはまた違う年式の物が使用されておりました。

今回は毒も混ざっていましたのでそれを取り除き、毒のないちゃんぽんを組み立てます。

 

 

 

クランクシャフトはシャフトの変形を直して芯出しします。

 

 

 

 

強化オイルポンプよりも大切なのは圧力を逃がさないこと。

フィード側のポンプの容量を増やしたところでドライサンプエンジンで重要なスカベンジ側のポンプから圧力が漏れていれば致命的なダメージになります。

 

 

この車両はフィード側のポンプとケースに傷がありましたので交換しました。

ガスケットやオイルシールは全て交換します。

 

 

バルブも曲がっていました。

 

 

 

 

 

 

 

ヨシムラワイセコで522cc。

 

 

 

セラコートでシリンダーのみブラックにしました。

 

 

 

こんな感じで組み上がりました。

これで安心して乗ることができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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SR400 リアディスク化のための部品製作

SR400、SR500のカスタムの中でも難しいとされるのがリアのディスク化です。

他車種のキャストホイールであればホイールごとディスク化できますので比較的簡単です。

ところがスポークホイールでのディスク化となると簡単にはできません。

有名なTDRのハブを使用してディスク化する場合が多いのですがTDRは17インチですのでSR400やSR500のように18インチ車に使用する場合はスポークを製作しないといけません。

スイングアームはどうするのか、リアマスターシリンダーに対応したステップはどうするのか、他にも色々と考えなくてはいけません。

 

 

キャリパーサポートの製作から始まり、ほとんどの部品を製作します。

 

 

 

ローターはワンオフです。

初期型風ローター。

ワンオフですので金額は高くなります。しかも軽量で放熱性に優れた最新のディスクではなく時代に逆らった重いソリッドタイプ。

ただ素材に関しては超一級品でレーサーでも使用されているものと同じです。

1mmオフセットしているのはインナー部分をセラコートで黒に塗りやすいように。

 

 

 

 

 

 

 

ステップを支えるベースはM8からM10にします。

説明は割愛しますが踏力に耐えるためです。

クロモリ材から削り出して製作しました。

 

 

 

仮組みを繰り返します。

キャリパーはブレンボです。・・・ブレンボマークは?

 

 

 

完成した部品を最後に黒に色付けしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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