カスタムオーダー【SRのつくりかた 70sカスタム編】2

カスタムオーダー【SRのつくりかた 70sカスタム編】1 からの続きとなります。

 

【フレーム編】

どんなに外装が綺麗でも、メッキが輝いていてもフレームがくすんでいると気になって夜も眠れません。

フレームは構造上水が溜まりやすかったり飛び石で剥がれたりと常に過酷な状態です。

年数の経過で錆が発生したりくすむのは当然です。

 

 

 

ステーにクラックがありましたので溶接し直します。

フレームはクラックが入って大丈夫なところとダメなところがあります。

錆びているとクラックが分かりにくく要注意です。

 

 

 

ブラスト処理後、パウダーコートです。

その後、高温で焼き付けます。

 

 

 

 

使用しているグロスのブラックは輝きのある綺麗なブラックです。

表面硬度があり対傷性に優れていながらしなやかさもあります。

このしなやかさはクラックの入りにくさを意味します。

 

 

 

ボロボロになるこの部分は少し厚みを持たせてパウダーコートします。

それ以外でもSRの場合錆びやすいところは分かっていますので、全て厚みを持たせてパウダーコートします。

 

 

 

フレームは組み立てるとほとんどが隠れてしまいます。

しかし少しのチラリズムが美しいと満足感が全く違うものになりますよ・・・ね。

 

 

【ホイール編】

初期型のSPの純正ホイールを使用します。

 

 

SPのホイールは40年位前の物ですので、腐食がひどい場合もあります。

このホイールは比較的綺麗なようですがせっかくですので更に綺麗に仕上げたいと思います。

 

リム部に腐食がありますが、塗装部分は綺麗です。

 

 

スポークホイールと比べて水の侵入が少ないホイールですので裏は想像よりも綺麗でした。

 

 

 

分解します。

 

 

 

サンドブラストとウェットブラストを使用し、下地処理をします。

裏側の錆も落とします。

 

 

 

パウダーコートのマスキングは非常に手間がかかります。

時間もかかるのですがテクニックも必要となります。

1回目。

 

 

2回目。

 

 

 

更にセラコートで仕上げて完成。

 

 

 

ビンテージパターンのタイヤを選択。

19インチは迫力があってカッコいいのですがタイヤが選べません。

あるのですがいい高さ(外径)がないんです。

グリップは求めません。

雰囲気重視です。

 

 

 

 

ベアリングは新品。

前回紹介したディスクローターの取り付け。

右側の白くなったローターカバーはウェットブラストで綺麗にしました。

 

 

 

【パーツのパウダーコート編】

 

フェンダーやライトステー、メーターケースなどのメッキパーツ。

 

 

 

フェンダーの裏やケースの中はどうしても錆びてしまいます。

このフェンダーを見てください。

どちらも綺麗な状態に見えると思います。

 

 

 

ところが裏はこのように違いがはっきりします(左は新品)。

どうしても錆びてしまいます。

 

 

 

ライトケース、メーターケースも同じです。

 

 

 

ライトステーの裏も同じですが時々このようにシルバーに塗ってある物を見かけます。

しかしこれも同じ運命、いずれ錆びてきます。

フェンダーの裏などは飛び石や水など常に過酷な状況です。

ウレタン塗装では持ちません。

 

 

ライトステーのベースプレートやメーターステーもパウダーコートします。

 

 

 

 

ライトケースやライトステーはグロスのブラック、ベースプレートはハーフグロスです。

 

 

 

裏もブラストで錆を落としてからしっかりパウダーコートします。

 

 

 

メッキパーツは変わっていないように見えますが・・・。

 

 

裏をマットブラックでパウダーコート。

 

 

 

グラブバーも水が溜まりやすく錆びやすいところをパウダーコート。

 

 

 

最後にメーターです。

古いメータですのでリムの塗装が剥がれています。

 

 

メーターは分解できませんのでパウダーコートのように高温で焼き付けることができません。

そこで低温のセラコートで処理します。

 

 

 

メーターを取り付けるボルトが中で落ちてしまいイライラした経験のある人もいるかもしれません。

チョンと固めておくだけで作業が楽になりますよ。

 

 

 

【ウインカー編】【サスペンション編】

 

まずフロントフォーク。

表はそこまで汚くありません。

 

 

 

裏はクリアが残っています。

これもあるあるですよね。

表バフピカ裏サビサビ。びんぼっちゃまくん仕様。・・・知ってます?

 

 

 

OHと塗装のため分解します。

インナーは計測。

 

 

 

アウターをブラストで下地処理後、パウダーコート。

腐食があるのでやりにくいです。

 

 

 

トップキャップの製作。

 

 

 

細ピッチのフォークブーツを付けて完成。

今回特に中は触っていません。

オイルの粘度を変えたくらいです。

 

 

 

 

トップブリッジ、ステム、ポストの塗装。

 

 

 

これも意外と綺麗でそのままでも使用できる程度のものです。

ついでではないですけどトップブリッジと同時にパウダーコートします。

 

 

ハーフグロスで仕上げました。

 

 

ベアリングはアンギュラを使用。

 

 

 

 

次はウインカーです。

ノーマルはシャフトがラバーであるため垂れてきます。いえ最初から垂れています。

これは樹脂製ではないSRのウインカーが重い為です。

そこでシャフトをジュラルミンで製作、ついでに少し短くします。

 

 

古い旋盤でネジ切り用のギヤが足りていなかったのですが、ようやく手に入りました。

p1.25で切ります。

 

 

ボルトの逃げをフライスで加工。

 

 

完成後は寸法変化の少ないセラコートで仕上げます。

ねじピッチまで塗れます。

 

 

 

また取り付けた時に垂れていない姿をお披露目します。

ノーマル風に製作したのでここがジュラルミンに変わっているなんて誰も気付いてくれないと思いますがカスタムなんてそんなものです。

 

 

 

【メインハーネス製作編】【スイッチのリペア編】

 

ベース車から取り外したメインハーネス。

年式からすると30年以上前のハーネスになります。

使用できなくもないのですが新しく製作しようと思います。

様々な年式、流用パーツを使用しているため、どちらにしても配線加工が必要になります。

メインハーネスを製作することで全てカプラーオンで製作できます。

これが一番の理由です。

 

 

 

古くなった配線は加工がしにくいというのも理由の一つです。

 

 

 

出来るだけシンプルな配線図を頭の中で考えて製作を開始します。

 

 

 

 

 

できました。

最大の欠点は時間がかかりすぎることです・・・。

 

 

 

 

おまけ編です。

パサパサのスイッチ。

 

 

どうしようもない場合もありますが、中が綺麗でしたのでレストアします。

 

 

 

SRのスイッチは今も昔もボディがアルミでできています。

つまり焼き付けることができるのです。

ブラストで古い塗料を剥離します。

 

 

 

パウダーコート仕上げ。

綺麗になりました。

 

 

 

カスタムオーダー【SRのつくりかた 70sカスタム編】3